mCrt Release 2015 Vol.013
全日本ラリーの最終戦となった『新城ラリー2015』 昨年とは一転、気持ちの良い秋晴れと完全なドライコンディション。 5万人を超える観客を集めたラリーの本拠地「新城総合公園」の華やかな雰囲気とは裏腹に、2車線で超ハイスピードな元有料道路ステージと、狭くてスリッパ リーな林道ステージの組み合わせで構成されたこのラリーは、全日本のターマックラリーの中でも屈指の難関であり、参加者にとっては過酷な戦いとなります。
DAY1では慎重な出だしながらも順調にSSでタイムを稼ぎ、SS6の時点までクラストップを快走。ところが続くSS7の序盤、右コーナーでイン側の縁 石に右フロントタイヤを強くヒット。その結果、ホイールが歪み、サスペンションの一部も破損してしまいました。車への負担を少なくするドライビングで何と かSSは走り切ったものの、SSを終えて移動区間に入った直後にタイヤがバースト。スペアタイヤに交換後も、タイヤにダメージを与え続けながら20kmも の移動を強いられることとなりました。かろうじて空気圧を保っている状態のタイヤで、ショートステージのSS8をスロー走行でこなし、何とかサービスパー クまで戻ってくることができました。その頃、連絡を受けていたメカニックはデモランを実施していたもう1台のABARTH 500 RALLY R3Tからパーツを外し、戻ってくるマシンを復活させる準備を進めていました。 サービスインと同時にサービスメカニック隊はマシンの右フロント足回りを分解。的確な判断と部品交換により、20分という短い時間の中で、右のサスペン ション交換、同時に曲がった部分の修復、タイヤ交換から各部の確認と調整を行い、遅れることなくSS9へと送り出すことに成功しました。 交換したスペアのサスペンションはもともと装着されていたサスペンションとは違ったバネレートやセッティングが施されていました。しかし眞貝選手は足の違 いに対応させた走りでSS9をクラス2番手タイムで走行。続くSS10でもクラス2番手タイムでまとめ、DAY1をクラストップ、総合6位で終えることが できました。
翌日のDAY2では、DAY1終了後のサービスで左右ともスペアのサスペンションに揃え、さらなるタイムアップのためにセッティングを変更のうえ挑みま した。1本目となるSS11は8kmを超える長いステージ。マシンの感触は良好だったものの、サスセッティングの変更が裏目に出てしまい、惜しくもこのス テージでクラストップから陥落してしまいました。前日と同じステージとなるSS12でも、前日のタイムよりも約9秒速く走るなど、タイムを縮める走りを続 け、一時5.1秒まで追いつくも最終的には2位という結果となりました。
結果:クラス2位
来場者数:51,000人
眞貝選手のコメント
リタイヤ寸前の状況からわずか20分で全開の走りが可能な状態までマシンを回復させてくれたチームのメカニックのおかげで、最後まで大観衆の前で ABARTH 500 Rally R3Tの元気な走りをお見せすることができました。結果として力及ばず2位となってしまいましたが、mCrtのチーム力を誇りに思います。シーズンを通し て皆様から頂いた暖かい応援に心から感謝申し上げます。ありがとうございました!